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モバイルからウェアラブルの時代へ 先月はモバイルがマイブームだったので、WindowsCE機についていろいろ書かせて頂いた訳ですが、今月は、マイブームは加速して、ウェアラブルコンピューティングの時代へ突入しています。ウェアラブルというとモバイルコンピューティングの次のコンセプトとして研究されている分野ですが、1998年に、セイコーインストゥルメンツによって、腕時計型PCのラピュータという製品がリリースされていることはご存知でしょうか。 当初、512キロバイトのメモリを搭載したこの腕時計PCは、定価が38000円と高価だったし、ユーザメモリも少ないのでいまひとつな印象がありました。ところが、発売後2年を経過して、4メガモデルが1万5千円以下で販売されており、ユーザが開発したソフトウェアも充実してきて、かなり使えるツールになっているのです。 ●Ruputer オフィシャルサイト ●私が使っているモデルRuputer Pro4 腕に巻いているのでウェアラブルの本領が発揮されます。携帯電話だって、PDAだって、一応バッグやポケットから取り出さねばならないのと違って、常に腕に身に付けているというのは手軽です。 Ruputerは徹底改造しないと「使える」状態になりません。出荷状態でインストールされているソフトだけでは、この画期的な腕時計PCの威力を発揮できないのです。ほとんどはユーザが開発したフリーソフトで機能を追加していくことができます。 まず最初に取り替えるべきは、テキストビューワーでしょう。Ruputer標準のテキスト表示プログラムは大きなファイルを読み込もうとすると異常に時間がかかります。またスクロールスピードが遅いですし、検索もできません。高速な表示にはSimple Text Viewer、検索など高機能な表示にはJVIEWなどがあります。 ●Simple Text Viewer ●JVIEW テキスト表示ソフトを高速なものに取り替えたら、次にテキスト表示用フォントも取り替えてしまいます。というのも、標準のフォントはサイズが大きいため、一画面に表示できる文字数が少ないのです。フリーの恵梨沙フォントは8ドットサイズのフォントです。これなら全角文字12文字*7行表示が可能になり、一画面に78文字が表示できます。これで情報の一覧性がかなり高まることになります。 ●恵梨沙フォント 私の場合には3メガバイト分の過去に書いた原稿を持ち歩いています。元はWORDのファイルもすべてプレーンテキストに変換して、ディレクトリ別に分類しています。もちろん、この連載の原稿も入っています。3メガバイトのテキスト原稿というと、日本語で150万字、400字詰め原稿用紙に換算して3750枚分に相当します。これだけの情報が、いつでも腕時計で検索できるのです。 例えば会議やパネルディスカッションの最中に、腕時計を見る振りをしてデータを参照することができます。WindowsCE端末にせよザウルスにせよ、PalmPilotにせよ、PDAを取り出してしまうと、「あ、データを参照しているな」と周りに分かってしまいますが、腕時計にしか見えないRuputerなら誰もデータを参照しているとは気がつきません。「その分野だとこんな事例がありますね。ご存知ですか?」と10個も20個もデータを暗唱して見せることができるのです。 また、CSVファイル閲覧ソフトもあります。こちらは私は、1000件件程度のWebサイトのタイトルと説明とURLのデータベースを入れています。巨大なブックマークを持ち歩いているイメージですね。 ●CSVビュワー それから、ちょっと便利なのがテレビリモコン機能です。Ruputerは小型ながら赤外線インターフェースを持っており、これで他のRuputerやPCと無線でファイル共有できます。そしてこの赤外線ポートは同時に、テレビやビデオ、家電などのリモコンにも対応させることができるのです。 ●携帯型マルチ学習リモコンMaster RemCon これがあると、例えば家電量販店で並んでいるテレビのチャンネルを変えてしまうなど、ちょっとしたイタズラも可能です(笑)。また、通常の利用目的でも、リモコンというのは欲しいときになかったりするので、腕時計に各種リモコン機能が一括されていると大変便利です。 よく使うアプリケーションといえば、英和辞書があります。電車の中で英語の雑誌を読む際に、分からない単語があるとき、さっと調べることができます。つり革につかまっていても片手でさっと調べる手軽さは、他のどんなモバイルツールでも不可能でしょう。まさにウェアラブルの便利さと言えます。3万語もあるので、一般雑誌程度の語彙はこれでカバーしているのです。 ●英和辞書 電車と言えば、時刻表も搭載できます。首都圏や大都市圏の時刻表データはフリーのものがオンラインで配布されています。これを利用するともう終電時間を気にせずに飲み歩くこともできるのです。 ●おたすけ時刻表 また、いろいろアプリケーションをインストールしていると、起動する際にランチャソフトが欲しくなります。Ruputerには、バックライト用のボタンがあるのですが、このボタンは普段あまり使いません。そこで、このボタンをランチャソフト起動に割り当てると言うアイデアソフトがあるのです。 ●Easy Launcher このアプリケーションを使うと6つのアプリケーションを一発起動できるようになります。 この他Pro4モデルでは標準でカレンダー、スケジューラー、アドレス帳、ストップウォッチ、電卓などがインストールされています。DOS3.0ベースのOSで動いており、開発環境も無料で提供されているので、プログラマならば、ソフトを自由に作って機能拡張もできるのです。 白黒2階調の画像やAVIファイルも表示できたり、ゲームも多くあったり、とお遊びツールとしても結構面白い面があります。いろいろな製品のロゴや自分の顔写真などを入れておくとこれがなかなか面白がられます。 そんなこんなで1万5千円程度のこのRuputerですがかなり実用的かつお遊び的に満足度の高い仕上がりの製品です。この他、今年はカシオからも、腕時計型MP3プレイヤーのWMP-1V や、腕時計+デジタルカメラ“CASIO WRISTCAMERA WQV-1”も発売されます。 ●WMP-1V ●CASIO WRISTCAMERA WQV-1 そういえば、NTTドコモからは腕時計型のポケベルも発売されていましたっけ。 ●Ziks モバイルからウェアラブルの流れで一番自然なのが腕時計の高機能化のように思います。今年はこれから、腕時計を中心にしたデジタルグッズが流行の兆しを見せるのではないかと期待しながらRuputer研究に余念がない今日この頃なのであります。 |
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