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◆◆今月の真柄さん〜女性市長誕生までの軌跡をたどろう◆◆
上原ひろ子市長の誕生は、国立市民にとってはもちろんのこと、全国的にも注目を集め、マスコミでも、さかんに取り上げられていた。東京初の女性市長、環境問題に詳しい市民運動家、市民による手弁当の選挙応援など話題性が高かった。メディアの受け手の中には、自分達の自治体にも、このような首長を誕生させたい、と思った人も少なからずいたのではないだろうか。
そこで、今回、市民派の市長誕生の背景にあるものを、一つのモデルケースとして、探ってみたい。
<上原ひろ子と市民参加でまちをかえよう会>は、今回の選挙を支えたホームページ。上原さんの政策が詳しく公開されている。この<政策集>を読んで、私が感じたのは、地域での人と人とのつながり、自然との共生といった面に重点が置かれているということだ。例えば、子どもと高齢者が交流できる場所を設ける、公園の花壇で市民が草花を育てる、駐車場の土の部分を残し、緑化を義務化する、といった具合に、市民が地域に根ざして活き活きと生活できそうなアイデアが提示されている。他にも、市民参加を促すために、市民・行政合同の『市民塾』を開くとか、農業と市民がつながるまちづくりを目指して、農家が学校に出張教授する、といった画期的な政策も提案されている。政策集の中には、資金もあまりかからず、市民の協力によって、実現しそうなものも多い。少ない予算でも、創意工夫と市民の参加で、まちは住みやすく変わっていくかもしれない、そんな希望の持てる「政策集」だ。
さて、このような政策を掲げる上原さんが、これまでどのような活動をしてきたのかも、同じホームページで報告されている。
国立市では、現在、駅前通りの高層ビル建設に反対する住民が、景観権をめぐって訴訟を起こしているが、上原さんは、その原告団幹事をつとめてきた。市民がこれまで守ってきた景観と、高層マンションの建設によって変化した景観の違いは、<上原ひろ子のプロフィール>の「まちづくり」で、比較できる。上原さんは、今回の選挙でも、この景観権を全面に押し出し、環境保護を主張してきた。
他にも、「環境」では、環境運動家としての活躍が見られる。川の水質調査をしたり、ダムに沈む村の人達と全国ネットワークを結成し、政府交渉を重ねた様子などが、掲載されている。
ところで、余談だが、この水質調査のおこなわれた矢川の周辺には、豊かな自然が広がっている。都心まで一時間ほどの国立でも、まだ農地や雑木林が残されていて、市民の憩いの場所となっている。(<谷保―くにたちの里やまから>)
こうした豊かな自然に惹かれてこの街に移り住んできた市民も多く、環境運動家の上原さんが支持された理由の一つに、この小規模な里山の存在も挙げられるかもしれ ない。この里山のページには、国立市の自然だけではなく、多摩地区の雑木林や涌き水、そして、子ども達の大好きなトトロの森も、紹介されている。
今回、上原さんは、ボランティアの市民に支えられたが、社民党、共産党、生活者ネットワークなど、政党の推薦も受けていた。生活者ネットワークというのは、上原さんが、かつて市議会議員として代表をつとめた政党でもある。このローカル・パーティは、もともと生活クラブという生協を母体にして生まれた市民の政治団体で、生活者の声を政治に届けようと、代表(生活者ネットでは、代理人と呼ぶ)を議会に送り出している。国立市のHPは見当たらないので、他の地域のもので活動方針を見てみた。<杉並生活者ネットワーク><昭島・生活者ネットワーク>。どうやらここでも、生活、市民、環境、政治をかえる、はキーワードのようだ。
議員と言えば、今回、上原さんを応援しつつ、初めての当選も果たした27歳の無所属議員のHPもある。(<くにたち市議会議員・重松朋宏のページ>)
重松さんも、情報公開と市民参加を訴えている。政策として、市民に開かれた議会を目指し、 ‘昼間働いている人でも傍聴できる、夜間・休日議会の開催、’‘質問議員名さえ明記されていない『議会だより』の紙面改革、’‘審議会委員の公選制’などを提案している。このページにも掲載されているが、重松さんは、選挙の時、どの議員が議会で何回質問したか、という記録をチラシにして市民に配布していた。国立市の有権者は、こういう情報を得たいと思っていても、傍聴しない限り、議員の行動を知ることはできない(議会便りなどで、詳細に知らされる自治体もあるのかもしれないが)。議会での詳しい報告が広く伝えられれば、議員の仕事はチェックされ、選挙のための判断材料も増えるだろう。これからの議会の詳しい事実報告をこのHPに期待したい。
市民派の市長誕生の背景をネット上のいくつかのHPでみてきた。この他に、もともと国立市は、住民運動がさかんな場所柄だったこととか、前の市政に対する住民の不満が高まっていたことなども、選挙の勝因として考えられる。どの地域にも、それぞれの土地柄があるので、必ずしも今回の国立市のケースが全ての自治体にあてはまるわけではないが、これらのHPは、全国の草の根の活動をする人々の何らかの参考になるのではないかと思えた。
さて、上原市政は、五月からスタートした。しかし、議会では、市長を支える与党議員が過半数に満たないため、苦戦が予想される。ところが、先日の新聞で、議会運営が行き詰まったらどうしますか? という質問に、新市長は、こう答えていた。
「えぇ、その時は市民の皆さんに真っ先に訴える。駅頭に立ち、すべて情報公開します。情報がないから何が起きているか、市民には分からず、関心を持ち得ない。ただ議員も同じ市民代表。市民にも大いに働きかけて、ともに市政を決めていきたい」(東京新聞 5月2日朝刊より)
ああ、なんてエキサイティング!! そのうち、駅前で市民に向けて情報を公開しながら、いろいろな問題を訴える市長の姿が見られるかもしれない。こうして、今、国立市は、あつく燃えています。
こんど議会が始まったら、私も出かけてみようかな・・・。
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